ゆっくり日記

精神疾患、回復後の持続可能な人生設計。 自分のペースで、健やかに生きる。スロー・ラグジュアリーに暮らす実践記。

【読書】紙の本、Kindle本。本の買いかたについて考えた。

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最近、本の買い方について少し考えています。

 

私は本を読むのが好きなので、これまでかなりたくさんの本を買ってきました。

 

紙の本も買うし、Kindle本も買います。図書館もよく利用しています。

 

最近は新しいKindle本体を買ったこともあり、Kindle本をけっこう買っていました。

 

 

 

 

でも、これまでの自分の読書を振り返ってみて、気づいたことがあります。

 

私は、Kindleで買った小説をほとんど再読していない。

 

特に日本の小説については、一度読んだら満足することが多いようです。

 

それなら、わざわざKindleで購入しなくてもいいのではないか、と思うようになりました。

 

 

日本の小説は、まず図書館で

 

日本の小説は、図書館にかなり揃っています。

 

話題になった作品も、新刊でなければ普通に借りられることが多いです。

 

私は図書館をよく利用しているので、読みたい小説があったら、まず図書館で探してみればいい。

 

一度読んで終わる本なら、それで十分です。

 

もちろん、図書館で読んでみて、

 

「これは手元に置いておきたい」

 

「もう一度読みたい」

 

と思ったら、そのときに買えばいい。

 

本を読むことと、本を所有することは別なのだと思います。

 

 

好きな作家は、ブックオフで大人買い

 

一方で、好きな作家の小説は紙で持っていたいと思います。

 

私は金原ひとみさんや山田詠美さんなどが好きで、ブックオフで見つけると、何冊かまとめて買うことがあります。

 

中古ならかなり安く買えることもあります。

 

好きな作家の本が本棚に並んでいるのもうれしい。

 

これは私にとって、満足度の高い本の買い方です。

 

「小説は買わない」と決めるのではなく、所有したいと思う小説は買う。

 

このくらいのルールが、自分には合っているようです。

 

 

Kindleは、実用書やビジネス書と相性がいい

 

反対に、Kindleで買ってよかったと思うことが多いのは、実用書やビジネス書です。

 

先日再読した『正しい家計管理』も、最初は図書館で借りて読みました。

 

とてもよい本だったので、その後Kindle版を購入しました。

 

 

こういう本は、一度読んで終わりではありません。

 

数年後に読み返したり、気になったところを確認したりします。

 

Kindleなら検索もできるし、マーカーを引いた部分を読み返すのも簡単です。

 

つまり私の場合、Kindleは小説を読むための本棚というより、何度も参照したい本を持っておくための資料庫として使うほうが向いているようです。

 

 

 

書籍費を減らすより、買い方を変える

 

私は本が好きなので、書籍代を極端に節約したいとは思っていません。

 

本を読むことで得られるものは多いし、私にとって読書は大切な趣味でもあります。

 

だから、

 

「本を買わないようにしよう」

 

ではなく、

 

「自分にとって所有する価値のある本を買おう」

 

と考えることにしました。

 

今のところ、自分にはこんな使い分けが合いそうです。

 

日本の小説 → まず図書館

 

好きな作家の小説 → ブックオフなどで紙の本を購入

 

実用書・ビジネス書 → 再読・参照したいものはKindle

 

雑誌 → 電子雑誌や図書館

 

洋書など図書館で入手しにくいもの → Kindle

 

こんな感じです。

 

 

結局、自分の行動を振り返ることが大切

 

先日再読した『正しい家計管理』には、家計管理では「記録」より「見直し」が大切だ、という趣旨のことが書かれていました。

 

今回の本の買い方についても、同じだと思います。

 

過去に買った本を振り返ってみる。

 

どんな本を再読したのか。

 

どんな本は一度しか読まなかったのか。

 

紙で持っていてうれしい本は何なのか。

 

Kindleで持っていると便利なのは、どんな本なのか。

 

そうやって自分の行動を振り返ると、自分に合った買い方がだんだん分かってきます。

 

世間一般の「本は買ったほうがいい」「図書館で借りれば十分」といった話ではなく、自分が実際にどう本を読んでいるのかを見ることが大切なのだと思います。

 

結局、ここでも「汝自身を知れ」なのかもしれません。

 

本はこれからもたくさん読みたい。

 

でも、何となく買うのではなく、自分に合った方法で、気持ちよく本と付き合っていきたいと思います。

【見守り】老父の誕生日祝い。家族でビストロでランチ。

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先日、老父の79歳の誕生日祝いをしました。

 

今年は、家族で近くのビストロへランチに行きました。

 

誕生日といっても、わが家の場合は盛大なイベントをするわけではありません。

 

ちょっとおいしいものを食べに行って、「お誕生日おめでとう」と言う。

 

そのくらいが、わが家にはちょうどいいような気がします。

 

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今回はビストロでランチ。

 

普段の家での食事とは少し違って、きちんと盛りつけられた料理をゆっくりいただくと、それだけで特別感があります。

 

最近は私自身、外食の回数や量も以前とは少し変わってきました。

 

たくさん食べることよりも、食べたいものを選んで、味わって食べるほうが満足できるようになった気がします。

 

家族との食事も同じです。

 

豪華なプレゼントや特別なイベントがなくても、一緒に出かけて、おいしいものを食べながら話をする。

 

考えてみれば、こういう普通の時間そのものが、お祝いなのかもしれません。

 

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老父も老母も年齢を重ねました。

 

私自身も、若いころにはあまり意識しなかった「家族と一緒に過ごせる時間」について、少しずつ考えるようになりました。

 

だからといって、毎日べったり一緒に過ごしたいわけではありません(笑)。

 

私は一人で本を読んだり、美術館へ行ったり、旅行したりする時間も大切です。

 

家族にもそれぞれの時間があって、ときどき一緒に食事をする。

 

いまの私には、そのくらいの距離感が心地よいです。

 

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食事を終えて帰宅すると、いつもの休日に戻りました。

 

本を読んだり、家でのんびりしたり。

 

誕生日だからと一日中予定を詰め込むのではなく、ランチの時間だけが少し特別。

 

そんな一日もいいものです。

 

老父もまた一つ年を重ねました。

 

これからも元気で、こうしてときどき一緒においしいものを食べに行けたらいいなと思います。

 

お誕生日、おめでとう。

 

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——そんな、わが家の夏の休日でした。

【通院記録】いつものメンタルクリニックへ。ダイエットのことも少し相談しました。

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昨日は、仕事が終わってから、いつものメンタルクリニックへ行ってきました。

 

現在は月に一度のペースで通院しています。

 

このところ精神面はかなり安定しています。気分が大きく上下することもなく、仕事にも普通に行けています。

 

休日には東京へ出かけたり、美術館へ行ったり、本を読んだり。最近は旅行の予定を考えることも楽しみのひとつです。

 

こういう「普通の日常」が続いていることは、ありがたいことだと思います。

 

今回の診察では、最近始めたダイエットについても話しました。

 

私は現在、ダイエット外来に通って、マンジャロを使いながら減量しています。

 

6月に2.5mgから始めて、現在は5mgです。

 

幸い、これまで特に大きな副作用はなく、食欲も自然に落ち着いています。以前より少ない量で満足できるようになり、体重も少しずつ減ってきました。

 

ただ、メンタルクリニックの先生は、マンジャロを使っていることについて少し心配している様子でした。

 

特に先生が気にしていたのは、薬をやめたあとのことです。

 

薬を使っている間に食事量が自然に減り、その状態がその後も続けばよいけれど、薬をやめて食欲が戻ったときにリバウンドする可能性もあります。

 

「ダイエット外来の先生と、今後のこともよく相談してくださいね」

 

という趣旨のことを言われました。

 

たしかに、これは大切な視点だと思いました。

 

私はこれまで、「まずは体重を減らす」というところに意識が向いていました。

 

でも、ダイエットは目標体重になったら終わり、というわけではありません。

 

むしろ、その体重をどう維持していくのかまで含めて考える必要があります。

 

私としては、目標に近づいたら、ずっと現在の量を使い続けるのではなく、主治医と相談しながら減量したり、2.5mgに戻したりする方法もあるのかな、と考えています。

 

もちろん、これは自分だけで決めることではありません。

 

次回のダイエット外来でも、長期的な使い方や、目標体重に達したあとのことを先生に聞いてみようと思います。

 

今回、メンタルクリニックの先生が違う角度から意見を言ってくれたのは、よかったと思います。

 

ダイエット外来では体重や血液検査などを診てもらい、メンタルクリニックでは精神面も含めて長く診てもらっています。

 

それぞれの先生の意見を聞きながら、自分でも考えていく。

 

急いで結果を出すというより、身体と心の状態を確認しながら、淡々と続けていければいいなと思っています。

 

診察を終えて家に帰り、夕食はおそばにしました。

 

特別なことのない月曜日でしたが、気持ちの上下もなく、穏やかに一日を終えることができました。

 

こういう一日が、いちばんありがたいのかもしれません。

【読書】交流分析の考えかたをベースとした手帳術。藤沢優月さんの手帳術を読み返して。

 

夢をかなえる人の手帳術 最新版

夢をかなえる人の手帳術 最新版

  • 作者:藤沢 優月
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
Amazon

 

学生のころから、私は手帳が好きでした。

 

手帳術について書かれた本もかなり読んできました。正確な冊数は分かりませんが、おそらく50冊くらいは読んでいると思います。

 

フランクリン・プランナーを使っていた時期もありました。当時の私にとってはかなり高価な手帳で、関連する本もいろいろ読みました。

 

ほかにも、さまざまな工夫が施された手帳を試してきました。

 

そんな私が昔から何度も読み返している本が、藤沢優月さんの『夢をかなえる人の手帳術』です。

 

昨夜、藤沢さんの本を久しぶりに読み返してみました。

 

そして改めて思ったのですが、藤沢さんの手帳術は、一般的な「手帳術」とはかなり違います。

 

予定を効率よく管理するとか、タスクをたくさんこなすとか、そういうことが中心ではありません。

 

その背景には、心理学、特に交流分析の「人生脚本」という考え方があります。

 

 

人は無意識に「人生脚本」を持っている

 

交流分析では、人は幼いころからの経験や周囲との関係を通じて、自分なりの「人生脚本」をつくっていくと考えます。

 

「こうしなければならない」

 

「私はこういう人間だ」

 

「こういうことをしてはいけない」

 

そんな無意識の思い込みが積み重なり、その後の生き方にも影響していきます。

 

 

 

藤沢さんの著書『新しい自分になる“人生脚本”』では、「禁止令」や「ドライバー」といった交流分析の考え方も紹介されています。

 

ドライバーには、「完全であれ」「もっと努力しろ」「他人を喜ばせろ」「急げ」「強くあれ」などがあります。

 

こうして並べてみると、どれも一見、悪いことには見えません。

 

努力することも、人を喜ばせることも、強くあることも、それ自体は悪いことではありません。

 

でも、それが「そうしなければならない」という無意識の命令になってしまうと、自分自身を苦しめることがあります。

 

 

「勝者」とは、社会的に成功した人ではない

 

今回読み返していて、特に印象に残ったのが「勝者の脚本」という考え方でした。

 

ここでいう「勝者」とは、お金持ちになるとか、有名になるとか、社会的に高い地位につくという意味ではありません。

 

藤沢さんの本では、自分が設定したゴールを満たすような人生脚本として説明されています。

 

つまり、何をもって「よい人生」とするかは、その人自身が決めるということです。

 

これは、とても大切な考え方だと思いました。

 

他人から見れば立派な人生であっても、それが自分の本当に望んでいる人生と違っていたら、それを自分にとっての「成功」と呼べるのでしょうか。

 

反対に、世間一般の成功の尺度からは外れていても、自分が望んだ人生を生きることができれば、その人にとっては十分に成功した人生なのだと思います。

 

 

そこで「手帳」が出てくる

 

ここまで考えると、藤沢さんがなぜ手帳について何冊も本を書いているのかが分かってきます。

 

人生は、結局のところ「時間」でできています。

 

自分が本当に大切にしたいものが分かったとしても、そこに時間を使わなければ、現実の生活は変わりません。

 

だから、手帳を使います。

 

仕事だけで一週間を埋めてしまうのではなく、自分がやりたかったことのためにも時間を確保します。

 

休む時間をつくる。

会いたい人に会う。

行きたかった場所へ行く。

勉強したかったことを勉強する。

 

そうやって、自分が望んでいる人生を、少しずつ現実の時間割にしていきます。

 

藤沢さんの手帳術は、単なるスケジュール管理ではなく、「自分が生きたい人生を、実際の時間の使い方に落とし込んでいくための手帳術」なのだと思います。

 

18年近く、何度も読み返してきました

 

今回、家にある藤沢さんの本を取り出してみたら、裏表紙に過去に再読した日付が書いてありました。

 

最初の記録は2008年でした。

 

その後、2011年、2012年、2015年、2024年、2025年……。

 

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そして今回、2026年8月16日の日付を書き加えました。

 

こうして見ると、18年近く付き合っている本になります。

 

紙の本には、昔の私が書いた書き込みもたくさん残っています。

 

そのころの自分が、どこを大切だと思ったのかが残っていて、それを見るのも面白いものです。

 

同じ本なのに、読む年齢や置かれている状況によって、目に留まるところも変わります。

 

何度も読み返したくなる本というのは、そのときどきの自分を映す鏡のようなところがあるのかもしれません。

 

 

手帳そのものは、どんどんシンプルになりました

 

面白いことに、これだけ手帳術の本を読んできた私が、現在使っているのは無印良品のとてもシンプルな手帳です。

 

昔は高価なフランクリン・プランナーも使いました。

 

さまざまな工夫が凝らされた手帳も試しました。

 

でも今は、余計な仕掛けのない手帳に、鉛筆でザクザク予定を書き込むのが一番使いやすいと感じています。

 

 

仕事の予定も、通院も、美容院も、有給休暇も、美術館の展覧会の予定も、全部一冊に書いています。

 

手帳そのものに人生を変えてもらう必要はないのだと思います。

 

大切なのは、どんな手帳を持つかではなく、自分の限られた時間を何に使いたいのかということです。

 

いろいろな手帳を使い、手帳術の本をたくさん読んできた末に、私はそんなところにたどり着きました。

 

 

自分の時間を、自分で選ぶ

 

今回、『新しい自分になる“人生脚本”』も最後まで読み返しました。

 

この本では、人生脚本を具体的にどのような手順で変えていくのかについては、それほど詳しく書かれていません。

 

どちらかというと、「人には人生脚本というものがある。そして、それを自分で選び直すこともできる」という考え方を紹介する本なのだと感じました。

 

藤沢さんの本では、『モモ』や『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』も参考文献として紹介されています。

 

 

 

 

 

私も、この2冊は以前に読んだことがあります。

 

考えてみれば、これらの本に共通しているのは、他人や社会に自分の時間をすべて明け渡すのではなく、自分自身の時間を生きることなのかもしれません。

 

手帳を開いて、予定を書きます。

 

それは、とても小さな日常の行為です。

 

でも、

 

「私は、この時間を何に使いたいのか」

 

と考えることは、

 

「私は、どんな人生を生きたいのか」

 

と考えることでもあります。

 

久しぶりに藤沢優月さんの本を読み返して、手帳を使うことの意味を、改めて考えました。

【読書】『れんげ荘』シリーズ(群ようこ著)を3冊読んで。何もない毎日にも、ちゃんと物語がある。

 

れんげ荘 (ハルキ文庫)

れんげ荘 (ハルキ文庫)

Amazon

 

最近、夜の読書時間に、群ようこさんの「れんげ荘」シリーズを読んでいます。

 

以前にも読んだことがあるのですが、久しぶりに読み返してみました。

 

今回読んだのは、シリーズの1巻目から3巻目まで。読み始めるとするすると進み、3冊続けて読んでしまいました。

 

このシリーズの主人公は、キョウコという40代の独身女性です。

 

長年勤めた会社を辞め、月10万円ほどで暮らすことを決め、古いアパート「れんげ荘」に引っ越します。

 

会社員だったころとは、まったく違う生活です。

 

仕事に行く必要はありません。

 

満員電車に乗る必要もありません。

 

朝、決まった時間に起きる必要もありません。

 

憧れの自由な生活。

 

ところが、実際にそんな生活を始めてみると、キョウコは意外にも「暇」に困ります。

 

 

自由になったからといって、すぐに自由を楽しめるわけではない

 

この部分が、とても面白いと思いました。

 

仕事をしていると、

 

「時間があったら、あれもしたい」

 

「もっと自由な時間がほしい」

 

と思うものです。

 

でも、本当に一日中自由になったら、私たちはその時間を上手に使えるのでしょうか。

 

キョウコは会社員時代には忙しく働き、それなりのお給料をもらい、洋服を買ったり、おいしいものを食べたりしていました。

 

それを全部やめて、れんげ荘で質素に暮らし始めます。

 

ところが、仕事がなくなったからといって、毎日が楽しいことばかりになるわけではありません。

 

古いアパートなので、夏は暑い。

 

蚊も出ます。

 

ミミズにも遭遇します。

 

そして、何より時間があります。

 

たくさんあります。

 

この「あり余る時間」とどう付き合うのか。

 

それが、このシリーズの面白さの一つだと思いました。

 

 

暇だから、刺繍を始める

 

2巻目では、キョウコは暇を持て余して、刺繍を始めます。

 

この場面が、私はけっこう好きでした。

 

「働かない」と決めたからといって、人間は何もしなくなるわけではないのですね。

 

誰かから命令されたわけでもない。

 

お金になるわけでもない。

 

締め切りがあるわけでもない。

 

でも、時間があれば、自分の手で何かをしてみたくなる。

 

仕事とは違うところから、自発的な「やってみたい」が出てきます。

 

考えてみれば、人間の活動は、すべてお金を稼ぐためにあるわけではありません。

 

本を読む。

 

料理をする。

 

散歩をする。

 

手芸をする。

 

空を見る。

 

猫と遊ぶ。

 

そんなことも、私たちの生活をつくっています。

 

 

何も起きない。でも、いろいろ起きている

 

「れんげ荘」シリーズでは、大事件はほとんど起こりません。

 

キョウコは、犬を散歩させている老夫婦を眺めます。

 

誰も住んでいない2階の部屋へ行ってみます。

 

よその猫が遊びに来ます。

 

空を見上げて、その青さを眺めます。

 

不審な人物を見かければ、警察官に知らせます。

 

新しい住人がやってくれば、れんげ荘の人間関係も少し変わります。

 

一つ一つを取り出せば、とてもささいなことです。

 

でも、それを読んでいるうちに思いました。

 

日常って、本当はこういうものなのかもしれない。

 

何も起きていないように見える一日にも、小さな出来事はたくさんあります。

 

先日、私も夕食後に近所のポストまで郵便を出しに行きました。

 

途中で近所の人に会いました。

 

その人は、首輪とリードをつけた小さな猫を散歩させていました。

 

聞けば、まだ生後2か月の子猫とのこと。

 

それだけの出来事です。

 

でも、家にいたままなら出会わなかった光景でした。

 

「どんな一日でも小説になる」という言葉を、どこかで読んだことがあります。

 

『れんげ荘』を読んでいると、本当にそうなのかもしれないと思います。

 

 

「働かない小説」だけではない

 

このシリーズは、一見すると「会社を辞めて働かずに暮らす女性の話」です。

 

でも、3冊読んでみると、私は少し違う印象を持ちました。

 

これは、

 

「仕事をしないで、人はどうやって自分の時間を生きるのか」

 

を描いた小説なのではないかと思います。

 

仕事がなくなっても、人生がなくなるわけではありません。

 

むしろ仕事という大きな予定がなくなったことで、今まで見えなかった小さなものが見えるようになります。

 

空の色。

 

季節の変化。

 

近所を歩く人。

 

猫。

 

アパートの住人。

 

そして、自分自身の気持ち。

 

キョウコは、何もしていないようで、実はよく周囲を観察しています。

 

その観察によって、何気ない毎日に少しずつ色がついていきます。

 

 

仕事から離れても、人との関係からは離れられない

 

一方で、れんげ荘に引っ越したからといって、過去の人間関係がすべて消えるわけではありません。

 

特に印象的なのが、キョウコと母親との関係です。

 

二人は決して仲のよい親子ではありません。

 

そして3巻目の最後では、その母親が入院します。

 

自分の望む生活を手に入れたとしても、家族は年を取ります。

 

病気になることもあります。

 

自分一人だけで完結する人生というものは、なかなかありません。

 

会社を辞めて自由になったキョウコが、これから母親とどう関わっていくのか。

 

3巻目は、そんな続きが気になるところで終わりました。

 

 

小説だから気づけること

 

最近は、ビジネス書や実用書、自己啓発書などもよく読んでいます。

 

そういう本は、考え方を整理するにはとても便利です。

 

「時間を大切にしましょう」

 

「自分の人生を生きましょう」

 

「他人の価値観に振り回されないようにしましょう」

 

と、著者が考えを言葉にして説明してくれます。

 

でも、小説は少し違います。

 

『れんげ荘』には、「人生とはこういうものです」という答えは書いてありません。

 

キョウコが暇を持て余す。

 

刺繍をする。

 

猫が来る。

 

空を見上げる。

 

母親から連絡が来る。

 

そういう日常を読んでいるうちに、

 

「仕事って何だろう」

 

「自由って何だろう」

 

「豊かな時間って何だろう」

 

と、こちらが勝手に考え始めます。

 

そこが、小説の面白いところなのだと思います。

 

 

何でもない日を、ちゃんと生きる

 

私は旅行も好きですし、美術館へ行くのも好きです。

 

東京へ出かけたり、ホテルに泊まったりするのも楽しいです。

 

でも、毎週どこかへ出かけなくてもいいのかもしれない、と最近思うようになりました。

 

家で本を読む。

 

料理をする。

 

映画を見る。

 

少し昼寝をする。

 

夕方になったら買い物へ行く。

 

用事があれば、近所まで歩いていく。

 

そんな休日も悪くありません。

 

むしろ『れんげ荘』を読んでいると、そういう何でもない時間の中にも、生活の面白さはたくさんあるのだと思えてきます。

 

もちろん、私はキョウコのように仕事を辞めて暮らしたいわけではありません。

 

仕事がある生活も、今の私には合っています。

 

ただ、仕事をしていない時間まで「有意義に使わなければ」と考える必要はないのでしょう。

 

何か大きなことを成し遂げなくてもいい。

 

空がきれいだと思ったり、おいしいものを作ったり、面白い本を読んだり、たまたま出会った猫をかわいいと思ったりする。

 

そういう小さなことも、ちゃんと人生の一部です。

 

『れんげ荘』を3冊続けて読んで、

 

何もない一日にも、よく見ればいろいろなことが起きている。

 

そんな当たり前のことに、改めて気づきました。

 

何でもない日常をちゃんと観察すること。

 

それだけで、毎日は少し面白くなるのかもしれません。

 

 

 

【手帳】いろいろ使った結果、無印良品のシンプルな手帳に落ち着きました。

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これまで、手帳はいろいろなものを使ってきました。

 

値段の高いものもあれば、安いものもありました。

 

手帳に凝り始めたのは、学生のころだったと思います。

 

いろいろな手帳を使ってきましたが、一番高かったのはフランクリン・プランナー。1万円以上した記憶があります。

 

予定を書くだけではなく、目標や優先順位を考えながら時間を管理していく、かなり高機能な手帳でした。

 

当時は、そういう「時間を上手に管理するための仕組み」がある手帳に惹かれていたのだと思います。

 

その後も、さまざまな工夫が施された手帳を使ってきました。

 

時間管理のための工夫がたくさん施された手帳や、目標を書いたり、毎日の行動を記録したりする欄があるものも使ったことがあります。

 

最初は、

 

「こういう機能があると便利そう」

 

と思うんですよね。

 

でも、実際に一年近く使ってみると、意外と使わない欄が出てきます。

 

むしろ、

 

「ここには何か書かなくちゃいけないのかな」

 

という感じになってしまうこともありました。

 

いろいろな手帳を使ってみた結果、現在愛用しているのは、とてもシンプルなものです。

 

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無印良品の「月曜始まりマンスリー/ウィークリースケジュール帳」。

 

マンスリーとウィークリーが一冊になった、ごく普通の手帳です。

 

でも、今の私には、これくらいがちょうどいい。

 

余計な設計がほとんどありません。

 

私はシャープペンシルで、予定をザクザク書き込んでいます。

 

予定が変わったら消しゴムで消せばいい。

 

きれいな手帳を作ることが目的ではないので、かなり気楽に使っています。

 

以前は、仕事用とプライベート用で手帳を分けていたこともありました。

 

でも、今は全部この一冊。

 

考えてみれば、仕事とプライベートは、完全に別々に存在しているわけではありません。

 

有給休暇をいつ取るか決めるには、仕事の予定を確認する必要があります。

 

通院や美容院の予約を入れるときにも、仕事や休日の予定を見ます。

 

仕事では、上司との面談など、忘れてはいけない予定もあります。

 

旅行へ行くなら、その前後の予定も考えたい。

 

だったら、全部一冊に入っていたほうが、私には分かりやすいのです。

 

そして、私の手帳には、まだ決まっていない予定もたくさん書いてあります。

 

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その代表が、美術館の展覧会です。

 

気になる展覧会を見つけると、マンスリーのページに会期を書いておきます。

 

すると、手帳を開いたとき、

 

「この展覧会は今月で終わるから、そろそろ行こうかな」

 

「こちらはまだ会期が長いから、来月でも大丈夫」

 

といったことが分かります。

 

そして仕事や通院などの予定を見ながら、

 

「今週末は、この美術館へ行こう」

 

と決めます。

 

つまり、私にとってマンスリーのページは、単に決まった予定を記録する場所ではありません。

 

これから自分の時間をどう使うか考える場所でもあるのです。

 

旅行についても同じです。

 

有給休暇をどこに入れるか。

 

どの週末なら出かけられるか。

 

逆に、予定が続いているから、この週末は家でゆっくりしようか。

 

一か月を見渡せると、そんなことも考えやすくなります。

 

そう考えると、

 

マンスリーは生活全体を俯瞰する場所。

 

ウィークリーは、その一週間を具体的に過ごすための場所。

 

私の場合は、そんな役割になっているようです。

 

スマートフォンにもカレンダーはあります。

 

それでも私は、紙の手帳が好きです。

 

ページを開けば、一か月の予定が一度に目に入る。

 

シャープペンシルで書き込んだり、消したり、線を引いたりできる。

 

その気軽さがいいのです。

 

そして最近、ものを選ぶときに思うことがあります。

 

機能が多ければ多いほど、自分にとって便利になるとは限らない。

 

むしろ、ある程度何も決められていないもののほうが、自分なりに使いやすいことがあります。

 

手帳もそうでした。

 

いろいろな手帳を使ってきたからこそ、

 

「私はこれくらいでいい」

 

ということが分かってきました。

 

以前、書籍『エレガンス入門』を読んでいて、エレガンスの語源には「選び取る」という意味があることを知りました。

 

何でも足していくのではなく、自分に必要なものを選ぶ。

 

最近の私は、服についてもそんなことを考えていますが、手帳についても同じなのかもしれません。

 

高価だからいい。

 

機能がたくさんあるからいい。

 

そういうことではない。

 

自分が実際に使うものが、自分にとっていいもの。

 

今の私にとっては、それが無印良品のシンプルな手帳でした。

 

仕事の予定も、通院も、美容院も、旅行も、美術館も。

 

全部、自分の時間です。

 

それを一冊の手帳にザクザク書き込みながら、

 

「次の週末は何をしようかな」

 

と考える。

 

そんな使い方が、今はとても気に入っています。

【読書】『新しい 大人ひとり旅』を読んで。旅慣れた人の「失敗談」がいちばん参考になった。

 

 

 

昨夜、地曳いく子さんの『新しい 大人ひとり旅』をKindle版で読みました。

 

私は一人旅が好きです。

 

国内旅行はもちろん、これまで海外にも一人で出かけたことがあります。

 

美術館を目的に旅をしたり、ホテルに泊まってのんびりしたり。

 

誰かと一緒に行く旅行も楽しいけれど、自分の好きな場所へ、自分のペースで行ける一人旅には、独特の気楽さがあります。

 

そんなわけで、タイトルに惹かれて手に取ったのがこの本でした。

 

著者の地曳いく子さんはスタイリスト。

 

仕事で海外へ行く機会も多く、さまざまな場所を旅してきた、かなりの旅慣れた人です。

 

本には、荷物の選び方から服装、ホテルでの過ごし方、防犯対策など、大人の女性が一人旅をするときのさまざまな工夫が紹介されています。

 

その中で印象に残った言葉があります。

 

大人の一人旅では、「無理をしない」こと。

 

予定を詰め込みすぎず、心と時間に余裕をつくる。

 

荷物も少なくして、身軽に旅をする。

 

これは、最近の私もよく考えていることでした。

 

せっかく旅行に来たのだから、あそこにも行こう。

 

ここにも行こう。

 

そんなふうに予定を詰め込めば、確かにたくさんの場所を見ることはできます。

 

でも、だんだん旅そのものが忙しくなってしまいます。

 

若いころなら、それでもよかったのかもしれません。

 

けれど、大人になった今は、一つの美術館をゆっくり見たり、疲れたらカフェに入ったり、ホテルに早めに戻ったりする旅のほうが心地よく感じます。

 

「今回は行けなかったから、また来よう」

 

そう思えるくらいが、ちょうどいい。

 

旅は一回ですべてを見る必要はないのです。

 

 

旅の服装にも共感

 

ファッションの話も出てきます。

 

著者が旅の「三種の神器」として挙げていたのが、

 

ワンピース。

 

2種類のストール。

 

フラットシューズ。

 

でした。

 

これは、かなり私と似ています。

 

私は普段からパンツをほとんど履かず、スカートかワンピースで生活しています。

 

旅行でもワンピースは便利です。

 

一枚で服装が完成するし、それなりにきちんとして見える。

 

美術館にも行けるし、少し雰囲気のいいレストランにも入りやすい。

 

そして、たくさん歩く旅では、やはりヒールよりフラットな靴。

 

ストールなら荷物にならず、防寒にもなり、服の印象を変えることもできます。

 

最近は、ファッションについて「形はシンプルに。色は自由に」ということを心がけていました。旅の服も同じなのかもしれません。

 

服そのものをたくさん持っていくのではなく、ワンピースを基本にして、ストールやアクセサリーなどで変化をつける。

 

そうすれば、荷物もずいぶん軽くなります。

 

 

旅行術そのものは、意外と普通だった

 

一方、この本に書かれている旅行のノウハウそのものについては、正直なところ、

 

「これは知らなかった!」

 

と思うものは、それほどありませんでした。

 

私自身も一人旅をするので、すでにやっていることも多かったからです。

 

ホテルに着いたら設備を確認する。

 

荷物は少なくする。

 

歩きやすい靴を履く。

 

スマートフォンやモバイルバッテリーを持つ。

 

海外では複数のクレジットカードを用意する。

 

こうしたことは、ある程度旅行をしている人なら知っていることも多いと思います。

 

でも、この本で本当に参考になったのは、そこではありませんでした。

 

 

一番参考になったのは「失敗した話」

 

私が興味深かったのは、著者自身の旅行中のトラブルについて書かれた部分です。

 

旅慣れた人でも、失敗する。

 

スマートフォンを盗まれたり、パスポートを盗まれたり。

 

海外を何度も経験している人でも、そういうことは起きるのです。

 

そして、実際に盗難に遭ったあとの話が具体的に書かれていました。

 

特に私が、

 

「これは知っておいてよかった」

 

と思ったのが、保険の手続きです。

 

海外旅行保険などを使う場合、盗難に遭ったことを証明するため、現地で必要な届出をして証明書類を確保しておく必要が生じることがあります。

 

私は海外旅行保険の存在そのものはもちろん知っていました。

 

でも、実際に盗難に遭った直後に何をしなければならないのか、そこまで具体的には考えていませんでした。

 

スマートフォンやパスポートを盗まれたら、それだけでもかなり動揺すると思います。

 

そんなときに、

 

「保険のための書類をもらっておかなくては」

 

と冷静に考えられるでしょうか。

 

知らなければ、たぶん難しい。

 

だからこそ、トラブルが起きる前に知っておくことが大切なのだと思いました。

 

 

旅の上手さは「トラブルが起きないこと」だけではない

 

この本を読んで考えたのは、旅慣れているというのは、単に荷造りが上手だったり、交通機関を使いこなせたりすることではないのかもしれない、ということでした。

 

もちろん、トラブルを避けることは大切です。

 

でも、どれほど注意していても、何かが起きることはあります。

 

大切なのは、そのときにどう対処するか。

 

カードをなくしたらどうするのか。

 

スマートフォンを盗まれたらどうするのか。

 

パスポートをなくしたらどうするのか。

 

保険を請求するには何が必要なのか。

 

そういう**「トラブルから復旧する方法を知っていること」も、旅のスキルなのだ**と思いました。

 

これは、旅慣れた著者の実体験が書かれているからこそ、説得力がありました。

 

成功談より、失敗談のほうが役に立つことってありますね。

 

 

「無理しない旅」を続けていきたい

 

この本を読んだからといって、私の旅行スタイルが大きく変わるわけではなさそうです。

 

むしろ、

 

「今までやってきた旅の仕方で、だいたいいいんだな」

 

と確認できたところもありました。

 

荷物を増やしすぎない。

 

歩きやすい靴を履く。

 

ワンピースなど、自分が着慣れている服を持っていく。

 

予定を詰め込みすぎない。

 

疲れたら休む。

 

行けなかったところは、次回に回す。

 

そして海外へ行くなら、楽しい予定だけではなく、万一のトラブルへの備えもしておく。

 

年齢を重ねたから旅をやめるのではなく、年齢に合わせて旅の仕方を少しずつ変えていけばいい。

 

そんなことを思いました。

 

たくさん見ることより、気持ちよく帰ってくること。

 

旅先で無理をしないこと。

 

そして、

 

「また行きたい」

 

と思えるくらいの余力を残しておくこと。

 

これからの私の一人旅も、そんな旅でありたいと思います。